今回は引き続き前回からの流れで、葬儀・告別式の日からの流れを紹介していきます。その都度注意点も解説していきます。それでは、今回もよろしくお願い致します。
朝から開式まで
葬儀・告別式までには決めておく事が二つあります。まず、一点目が精進落とし料理の数を確定する事です。これまでに私の動画でお話しして来た事に注意して最終的な数を注文しましょう。締め切り後は変更がききませんので、よく考えて決定して下さい。
そしてもう一つが焼香順位の決定です。焼香順位とはあらかじめ決められた順番に沿って司会者が対象の方の名前を読み上げ、焼香を進めていく事となります。最近は家族葬などで焼香順位を定めずにお葬儀を執り行う事も多いですが、葬儀・告別式の席順にも関わってきますので、親族が多い場合や、気にされる方がいる場合には定めておくと良いでしょう。神式のお葬儀でも玉串奉奠の際に玉串順位を決めます。今回、焼香順位がこのタイミングでの解説となりましたが、実際には通夜の際に親族が集まった時に相談しておくのが良いと思います。
焼香順位の基本的な順番としては
1.喪 主
2.遺族・親族
3.会社関係
4.友人関係
と、なります。この後、名前の読み上げなしの一般の方の焼香となります。が、地域によってはお招きした方々をお待たせしない、という考えから、先に一般焼香を行うところもあります。こういった場合は葬儀社や司会者が教えてくれると思います。
喪主が一番最初に焼香する事は、そのままで解りやすいですが、問題は遺族・親族の焼香順位をどうするかとなってきます。時には親族から不満が出たり、トラブルになったりする事もありますので、やはり焼香順位を決める場合には他の親族、特に故人さまの兄弟姉妹など、一族の長老的な方と相談しながら決定すると良いですが、無理な場合には決まった順位を見てもらい、前もって了承をもらっておく事をお勧めします。
遺族・親族の焼香順位は私もなかなか説明が難しく、悩ましい所ですが、家族葬など基本的には家族単位で考える事が多いです。喪主の後、喪主の妻、子として、次に故人様との関係の深い方とその家族というように進めますが、この際にも故人さまと血縁関係のない喪主の妻が他の血縁者よりも先に焼香する事に不満を感じられる方もおられますし、喪主の子が女性でお嫁に行っている場合はどうするか、という事もあります。一概にこうすれば良いです、という事は出来ませんので、次に考え方の例を挙げておきますので、参考にしてみて下さい。
1.年長順
これは年齢の高い方から順位を決めます。シンプルで解りやすい方法です。
2.同姓順
故人さまと同姓の方から順位をきめます。既婚女性の順位が低くなりがちです。
3.男性優先
やはり未だにこの価値観は残っている事があります。
上に挙げた要素を組み合わせて順位を決めます。
一例として
家族単位で年長順と同姓順、男性優先なしの場合
1.喪 主
2.喪主の妻
3.長女(25)
4.長男(23)
*次女(21)
は既婚で別姓なので、同姓の親族の後、年長順
となります。
今、解説した順位は飽くまでも、一例としてのものですので、参考にして頂き、実際には親族、葬儀社、司会者と相談しながら決定して下さい。
また、関西など西日本の地域には留め焼香という習慣があります。これは親族の中でも故人さまとの血縁関係が濃い方、長老的な方があえて一番最後に焼香します。この方が一番最後になっている事で、他の方の焼香順位に不備・不満があったとしても納得してもらう、という目的と、これ以降の不幸を止める、という意味があります。留め焼香の習慣がある地域では、ご本人に依頼して決定しましょう。
私のホームページにはこれらの順位シートも用意しておりますので、下書きなどにご活用下さい。概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらからダウンロードして頂けます。
会社関係の方は社内での肩書き順で決めましょう。友人関係の焼香順位も決める場合にはその方々に相談すれば良いと思います。
セレモニー開式から出棺まで
開式前には通夜のセレモニーの時と同様に司会進行係から式辞の説明があります。その際には先に決めた焼香順位に沿って席順の案内がありますので、案内に従って着席します。そして宗教者が入場し、開式となります。式辞も進行し、焼香や玉串奉奠などの作法では順位に従って司会者が一人一人の名前を読み上げます。名前を呼ばれてから祭壇に向かい、心を込めて作法を行いましょう。遺族・親族の作法が終われば、会社関係、友人関係、一般の方々の作法となります。この際には会葬頂いた方々へのお礼として、祭壇脇に立ち、焼香などを頂いた方にお礼を返します。進行係から案内・誘導がありますのでそれに従って立礼して下さい。全ての方の作法が終われば、元の席に着席します。やがて宗教者が退場し、喪主の挨拶をもって葬儀式の終了となります。
その後、告別の儀となりますが、その際にはお棺の蓋が外され、拝顔できるようになります。この時にお棺が祭壇から降ろされ式場中心付近、会葬者により近い所に移動する事もあります。その間、葬儀社が祭壇や供花に使われたお花を切ります。そのお花を会葬者の手でお棺へと手向けます。故人さまのお顔を見るのも、お体に触れるのも、声をかけるのもこの時が最後となる事もあります。この後、火葬場へ向けて出棺となりますが、火葬場では拝顔不可のところも多いので、心残りのないようにお別れして下さい。
お別れが終わり、お棺の蓋が閉まれば火葬場へ向けて出棺となります。親族の手によって、お棺が霊柩車へと運ばれ、見送りの方々に別れを告げて出棺となります。マイクロバスや自家用車へ乗り、霊柩車を先頭に宗教者の車両、遺族・親族の車両と続いて出棺します。
火葬場~食事~初七日まで
火葬場に入場しましたら、職員の指示に従い、葬列を作って釜前へと向かいます。ここで宗教者による読経と会葬者の焼香など、宗教的な作法が出来る事もあります。その際には焼香順位などは関係なく、近くの方から手短に作法を行います。花束を棺に手向ける事ができる場合もあります。このあたりは火葬場の規則によりますので、気になる方は葬儀社に聞いてみましょう。
ここで仏式などと神式で順番が変る事がありますので、それぞれについて解説してまいります。棺を釜に納め、故人さまを荼毘に付す間に仏式などでは食事会場に移動し、精進落とし料理、食事を摂ります。前回の動画で解説した喪主挨拶をして2~3時間過ごします。前回の動画と挨拶例文のリンクも貼っておきますので、ぜひご活用下さい。食事の後、時間になれば火葬場の収骨室に移動して、決めていた骨箱に故人さまのお骨を拾い、初七日の会場へ向かいます。ここは逐一、進行係が案内・誘導してくれますので、それに従って下さい。初七日の法要が終われば、本日の予定は全て終了となります。お疲れ様でございました。
一方で神式の場合はお住いの地域や宗旨、宗派によって違う事もありますが、お棺を火葬場に預けた後、すぐに式場へ戻り、帰化祭(葬儀が無事に終了した事を神様に奉告する儀式)と十日祭(仏式の初七日にあたる儀式)を執り行う事があります。葬儀社や司会進行係から手順の説明があると思いますので、確認しておきましょう。これらの儀式終了後に食事があり、時間になれば収骨して予定終了となります。
今回のまとめ
それでは今回のまとめです。葬儀・告別式の日には
① 精進落とし料理の数量を確定する
② 焼香順位・玉串順位の決定
があります。焼香順位・玉串順位の決定は開式までに司会者に伝えれば良いですが、お通夜の際に親族が集まった時に親族と相談しながら決定すると、トラブルも防げると思います。
開式まで来れば、決めるべき事は全て決定していますので、あとは葬儀社スタッフ、司会進行係の案内・誘導に従って行動すれば予定は進んで行きます。悔いのないよう、故人さまとのお別れに集中して下さい。
食事の数が足りない、などのトラブルもあり得ますが、これについては以前の動画「#007返礼品・飲食費について」で防止する対策も詳しく解説しておりますので、そちらをご覧下さい。これも概要欄にリンクを貼っておきます。
お葬儀では決定する物が多く、しかも普段生活している上で馴染みのない、解りにくい物事が多いと思います。もし、お葬儀に関する不安な点や動画の中で不明な事がありましたらコメント欄に書き込んで頂けたら、お答えさせて頂きます。
今回はここまでにしたいと思います。私の動画ではこれからもただ安ければいい、という事ではなく、無駄なお金を使わないという方向で解説して行こうと思います。この動画がより良いお葬儀の参考になれば幸いです。次回は今まで解説してきた事の他に知っておきたい事や葬儀後の手続きについてお話していこうと思います。