事前に考えておく事1
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 さて、この記事をご覧頂いている方が気になる点は、お葬儀にどの様な形態を執れば、どのくらいの費用が掛かるのか?だと思います。ところが、中々一概には言えない所で、第一に支払う科目が多く、金額が変動する点と第二に支払い先が複数になる場合があるからです。

 ここでは大まかなグループに分けてそれぞれを解説してまいります。

 まずは葬儀費用:葬儀社に棺や葬祭用品、斎場の利用料など、固定でかかる費用となります。そして葬儀日には火葬を執り行いますが、その際には火葬料金が必要になります。これは各自治体あるいは火葬場に支払うものです。

 あと、弔問客や会葬者へお礼として配る粗供養品や返礼品の費用が変動費用(商品や数量によって)としてかかります。

 そして飲食費、通夜の際に振る舞う食事、お葬儀当日に火葬の間の待ち時間に食べる精進落とし料理があります。また、葬儀の日に初七日まで済ませる場合が多いですが、地域によっては初七日後に食事を執る所もあります。

 それから当然、お寺さんや神主さん等、宗教者の方を呼ばれる場合にはそのお礼も必要です。

 細かく言うとハイヤーやマイクロバスなんかが必要になる場合もありますが、詳しくはこれからその都度お話させて頂こうと思っています。

 この3つのグループの総額が葬儀費用となりますが、よく葬儀社のパンフレットにプラン料金が表示してあり、追加料金なしというような表示がある場合がありますが、これは葬儀料金グループの範囲内での話である事がほとんどですので注意が必要です。葬儀社によっては火葬料金や会館利用料も別途必要な場合もあります。このあたりも追々解説してまいります。

 本日この記事では終活の相談前に考えておく事についてお話して行きます。それによって費用も変わってまいりますので、葬儀社へ事前相談に行かれる前に皆さんの要望とそれに伴う費用を理解しておく事は非常に有益であると考えます。

 まず、万が一の場合に故人様をどこにご安置するか?を考えておきましょう。大きく言って選択肢は二つあります。一つは故人様や親族のご自宅へ安置される場合ともう一つは葬儀社の会館や公営の斎場等に安置する場合です。これからそれぞれについて解説してまいります。

 ご自宅へご安置される場合は当然施設の利用料などはかかりません。また病院でご逝去される方が多いですが、故人さまが生前にご自宅へ帰りたがっておられた場合もあると思います。

 ご自宅へご安置される場合は家の状況も考えておく事も重要です。玄関口や廊下でストレッチャーや棺が通れるのか?、集合住宅では寝台車の車寄せがあるのか?、エレベーターにストレッチャー用の戸袋があるか?、あればどこで鍵がかりられるのか?、などを管理人に確認しておく必要があります。

 次に一旦自宅へ帰らず、葬儀社の会館や斎場へ直接ご安置する場合です。この場合は一回分の寝台料金が不要となりますが、施設の利用料が必要となってきます。また、ご家族だけでのお見送りをお考えの場合は近所の方の目にもつかず、葬儀までゆったり過ごせると考える方もおられます。

 付添いに関しては、葬儀社により、プランにより違いがありますので、注意が必要です。利用料のみで付添いができる場合、付添いするには追加料金が必要な場合、安置のみなら無料の場合などがありますので、葬儀社へ要望を伝え、金額や条件をしっかり確認して下さい。

 人が人生の最後を迎える場所はやはり病院が一番多いです。具合が悪くなり、入院されてという場合ですね。この場合、病院では処置に入りますが、その間に寝台車を手配するように促されます。この時、病院に提携の葬儀社へ寝台車を手配してもらう事も出来る場合もありますが、当然費用はかかります。葬儀を依頼したい葬儀社が決まっている場合、葬儀社によっては最初の寝台車搬送料が基本プランに含まれる場合がありますので注意が必要です。他社での搬送の場合、その費用分基本料金から引いてくれる事はありませんのでね。

 この事からも、事前相談で葬儀社を決めておく事は非常に有効です。していなければ、家族の逝去という中で、慌ててどうするかを決めていかなければなりません。

 次に病院以外でご逝去された場合、これは突然の場合もあり、慌てる事も多いです。まずはご自宅で亡くなられた場合です。

 自宅で亡くなった場合は二通りに分かれます。一つがかかりつけの医師がいらっしゃる場合、この場合は医師がご遺体を見て病死や老衰等の自然死であると判断された場合にはその医師に葬儀の手続きに必要な死亡診断書を書いてもらえます。

 かかりつけ医がなかった場合には警察へ連絡を入れる事となり、警察官によりご遺体が誰なのかの確認と事件性がないかの現場検証など捜査があります。そしてご遺体は監察医による検死を受けて死因や死亡時刻が確定され、監察医により死体検案書という書類を書いてもらえます。これは名前が違うだけで死亡診断書と同様の書類となります。

 この時にご遺体が警察署へ運ばれ検死が行われる場合と、ご自宅でしたらそこで検死が行われる場合もございます。

 いずれの場合にしても、医師の死亡確認または監察医による検死が終了してから葬儀社へ連絡する事となります。これらが終わるまでは葬儀社がご遺体に触れる事は出来ません。

 実際に大切な方にそのような事が起これば頭の中が真っ白になり、どうすればいいのか解らなくなる事もありますので、事前相談をしている葬儀社がある場合等はその葬儀社へ電話をすれば、どうすればいいか丁寧に教えてくれると思います。

 あとは万が一、誰かが倒れている所を発見した場合は完全に死亡していると確認できる場合を除いて救急に連絡すれば、救急隊員が到着後、死亡していない場合は病院へ救急搬送されますし、すでに死亡されていたなら警察へ連絡するように指示があります。

 それと、病院への救急搬送中に亡くなってしまわれる場合もあります。そのように医師による診療前にお亡くなりになられた場合にはやはり警察の検視を受ける事となります。

 以上の事を纏めますと、人が亡くなられた後、寝台車の手配が必須になるのは病院からと警察からの二通りとなります。また、ご自宅で最期を迎えられた場合でも自宅以外の場所にご安置を希望される場合には寝台車を手配する事となります。

 ここで本題に戻りますが、つまり故人様を何処へ迎えに行ってどこへ搬送してどちらに安置するかで状況が変わってまいります。

 まず、この表をご覧下さい。寝台料金など書きこむ欄がありますが、一つ一つ解説してまいります。

 こちらの表はダウンロードページからダウンロードして頂けます。もちろん費用とか掛かりませんのでね。シリーズを通して最終的にエンディングノート的なものにしたいと考えております。

 それではまず寝台車料金から説明してまいりますが、確定的な金額を書き込む事はできません。と言いますのも寝台車料金は基本料金があるものの距離計算となっており、夜間料金などもある為、予め確定するのが難しいです。

 昼夜いつ事が起こるか判りませんし、入院中の病院で最期を迎えるとも限らない為です。一般的にはよほど遠くの病院や警察からの搬送でないかぎり、大抵約20,000円前後になるかとおもいますので、ここはおおよその金額を入れておきます。

 次に寝台車手配の回数と安置場所ですが、ご遺族の要望によってかかってくる金額も変わります。

 例えば病院で亡くなられ、一旦自宅へお帰りになりそこでお通夜の日までご安置の場合、病院→自宅で一回、自宅→式場でもう一回の2回分が必要となります。一方、病院から葬儀社の会館へ直接安置される場合は寝台料金は一回分となります。

 あと、ご安置場所によってドライアイスの料金も変わってまいりますので、葬儀社に確認して下さい。

 安置場所に関しては、自宅でのご安置であれば必要ございませんが、安置所を利用すのであれば、その費用がかかります。安置料金は主に二つのパターンがあり、ご遺族が付添ができる安置所と、夏場などによく利用されるご遺体保全を目的とした冷蔵霊安室でこちらはご遺族が付添できず、預かってもらう形となります。それぞれで金額も違いますので、事前相談の際に確認されると良いと思います。

 また、安置料金は24時間単位で金額が設定されている場合が多く、回数欄にはその日数を入れますが、すぐにお通夜が行えるようであれば一日分で済みますが、待ち時間があるようならその間分必要となります。

 この辺りはお住まいの地域にもよりますので事前相談の際には地域事情を確認しておくと良いでしょう。思ってたより待機日数がある、という事もありますのでね。

 今回のまとめです。葬儀社へ事前相談に行く前に考えや要望をまとめます。まず、万が一の場合にどちらの場所に故人さまをご安置するか?を考えておきましょう。

 故人さまが生前自宅へ帰る事を望んでおられた場合もあるでしょうし、とは言え様々な事情からご自宅へ帰る事が難しい場合も考えられます。それにご家族や親族のお気持ちもあるでしょう。

 また、ご自宅での見取りをされた場合でもご安置は葬儀社の会館で、という事もございます。とは言え中々事の起こる前に家族と話し合うというのも考えたくもない事でもありましょうからご自分の気持ちをまとめておくと良いと思います。

 あと、遺影用の写真というのも必要になりますので、こちらも考えておかれる事をお勧めします。いざとなって写真が無いと、慌てる方も多いので。写真の欄も資料にはありますので、お書込み下さい。

 より良い最後のセレモニーを迎えられます様にしっかり考えておかれる事をお勧めします。