家族葬の概要
動画版

 今回は一般化した感のある家族葬のお葬儀についてお話していこうと思います。実際に葬儀社へ事前相談などを行う際に気を付けるポイントや費用の変動が起こる箇所について詳しく解説して参ります。

 まず、家族葬とはお葬儀を執り行うにあたり、知人・友人を含めた一般の方の弔問・会葬を想定しない葬儀方式となります。が、そこには絶対的な定義や区別は無く、家族以外にも親戚を招待する場合や特に故人仲の良かった方々を招待される事もあります。

 単純にお葬儀費用を抑えるためや、何かと気を遣う参列者を呼ばない事でゆっくり故人とのお別れがしたい場合に採用されます。ここで注意するポイントですが、家族葬=価格が安いと思っておられる方が多々おられますが、先ほども申しました通り、絶対的な定義はありませんので、祭壇や葬儀式場など、内容によるところもあり、家族葬にすれば劇的に費用が抑えられる訳ではありません。確実に違うのは返礼品や食事などの接待費が抑えられるというところです。

家族葬の流れ

 お葬儀の流れとしてはこれまで何度もお伝えした通りですので簡単に説明致します。まず、病院等、ご逝去場所から寝台車を使って自宅など安置場所へ搬送し、その場所で通夜に当たる日まで待機します。安置場所によってはこの間に故人さまに付き添われたり、友人、知人にお別れをしてもらったりも出来ます。

 通夜日に葬儀式場へ移動します。その際には故人さまを納棺、お棺に入って頂きます。安置場所によっては病院から到着時に納棺する場合もありますが、自宅でのご安置の場合にはこのタイミングで納棺となるケースが多いです。つまり、ご自宅でお布団の上に寝ておられる故人さまはここで最期となりますので、その状態でお別れがしたい方などはそれまでに済ませておきましょう。

 葬儀式場に到着し、お棺が祭壇前にご安置されます。この日に通夜のセレモニーが執り行われます。家族葬という事ですが、弔問の方にお別れをしてもらう事も可能です。

 葬儀日には、火葬の予約時間から逆算して葬儀・告別式が執り行われます。セレモニー後、最後のお別れをして火葬場へ向かいます。

 炉前では宗教者による簡単な読経などができる所もあります。故人さまを火葬炉へ納めると収骨まで数時間の待機時間があります。この間、火葬場によっては待合室があったり、有料で借りたりも出来て飲食できる場所もあったりします。ここは地域火葬場によりますので葬儀社へご相談下さい。

 時間となり、ご希望のお骨箱へ収骨が終わると宗教者の入るお葬儀ではこの後、初七日を執り行う事もできます。これは葬儀社により、プランに含まれていたり、別途料金が必要であったりと様々ですので、よくプランを確認して下さい。

一日葬の費用

 家族葬の金額の目安ですが、具体的な金額としては40~50万円前後が多いように思います。が、ここは祭壇によっても変わってくる所です。豪華な祭壇であれば金額は増えます。プラン内容をしっかり確認して下さい。プラン付属の祭壇に不満があればグレードアップできる事も多いです。

 この金額は葬儀社によって、そのプランに含まれる内容が違いますので注意が必要です。プラン金額が低くても追加料金で結局、他のプランと同等か高くなる事もあり得ます。と、言いますのも火葬場の状況による待機日数や寝台車による搬送金額、安置所を借りるかどうか、という変動費用が必ず出てくる事、そしてその金額も葬儀社によって違うからです。

 この動画ではこの辺りを解説し、理解する事で自分にとって何が得なのか、を見出す事を目的として進行してまいります。

一日葬の詳細

 それでは、いつものエンディングシートを使って説明してまいります。こちらはこちらからダウンロードして頂けますので、よろしければご活用下さい。

 終活の際に色々な葬儀社のホームページを見た時に様々なプランを見かけると思いますが、金額もプラン内に含まれる内容にも違いがあり、何がどうなっているのか解らない事もあるかと思います。そこでこのエンディングシートを使ってどの葬儀社、どんなプランであっても必要な金額の目安がつくように出来ています。それでは、解説してまいります。

 まずはエンディングシート3での合計とありますが、こちらは以前の動画内で解説したもので、お葬儀の前段階で、ご逝去された場所からどこでご安置するか、によって金額が変動しますよ、というお話となっています。未視聴の方は先にこちらをご覧頂くと解りやすいと思います。

 このエンディングシート3で出た金額をここに記入しますが、注意しておきたいのが葬儀社によっては寝台車、ドライアイス、安置所利用料などがプラン料金に含まれている場合がありますので、何が何回分含まれているか、を確かめて下さい。含まれている項目については「含」とか「付」とか書き込んでおくと良いでしょう。

 後は内容の一つ一つを説明してまいります。

● まずは祭壇、これには生花祭壇、白木祭壇、白木祭壇の上に生花装飾と色々なパターンがありますが、祭壇は葬儀費用に大きく影響しますので予算や金額を見て、しっかり検討して下さい。プランに祭壇が含まれている場合にも不満がないか確認しておく事をお勧めします。

● 運営スタッフは葬儀社のスタッフが収骨までついてくれると思いますが、その料金です。プランに含まれる場合が多いとは思いますが、別途必要であればその金額を書き込んで下さい。

● 次の司会進行とその次のセレモニーレディは連携して葬儀式の進行とそのサポートを行います。時々、事前相談や葬儀の打ち合わせで見積もりをしていると、この二つはいらない、不要だとおっしゃる方がおられますが、ただ単に焼香のタイミングを計り、会葬者に焼香を促す、といった事だけではなく、宗教者のサポートや葬儀式場の外で遅れて来られる方に注意を払い、いらっしゃれば、焼香できるよう、お別れできるようにサポートする事もありますので、必要なものとご理解下さい。こちらはプランに含まれている事も多いですが、別途必要なら金額を書き込みます。

● 式場使用料は文字通り葬儀式を執り行う施設の料金となります。民営、公営さまざまなものがありますが、選べるなら、立地や金額を見てご自身にとって好条件なものを見つけて下さい。また、プランにふくまれる場合にも式場を確認しておく事をお勧めします。

● 火葬料金は各地域で金額が変わります。また、市内料金と市外料金というものもありますので、喪主さまと故人さまが違う市にお住まいの場合などどちらで火葬を執り行うかによって金額が大幅に違ってきますので、注意が必要です。例えば他市にお住いの故人さまを喪主さまの自宅で安置して喪主さまのお住まいの市で火葬しようとする場合、市によって対応が違いますので、喪主が当該市民の場合は市民料金とする所もあれば、飽くまで故人が当該市民ではないので市外料金とする所もあります。

 一例として、その金額も市民料金なら1万円、市外料金なら10万円などと、かなりの違いがある事も多いので、しっかりと葬儀社や役所で確認して下さい。また、葬儀社によっては火葬料金もプランにふくまれている場合がありますが、これも当該市は1万円、隣の市は2万円といった場合もありますので、それでも含まれているのか、市外料金でも含まれているのか、どこまで含まれているかを確認しておくと良いでしょう。

● そして火葬をする為に死亡届を役所に提出するなどの手続きが必要になりますが、これを葬儀社が代行してくれる事が多いです。こちらもプランに含まれる場合が多いとは思いますが、別途必要であれば書き込んで下さい。

● 枕飾りとは、自宅や安置所などで飾られる蝋燭や線香、その机などの葬祭用品です。無宗教で執り行う場合など、必須項目ではありませんが、あれば付き添われる時や誰かが訪ねて来られた時に線香などを使えますので、プランに含まれておらず、必要な場合にはその金額を書き込んでおきましょう。

● 白木の位牌と仏式のお葬儀で用意される、お仏壇に納める位牌ではなく、お葬儀から満中陰(四十九日)まで使われる位牌の事です。火葬式であっても寺院から戒名・法名を頂かれる場合に使われる事があります。これもプランに含まれている場合もあります。別途必要な場合はその金額を書き込みます。

● お棺とは正確には棺桶の事です。こちらもほとんどはプランに含まれると思いますが、好みのデザインのものにグレードアップした場合など、費用が発生する場合には書き込んで下さい。

● 仏衣一式とは所謂、白装束の事です。こちらも必須という事ではありません。これもプランに含まれている場合もあります。別途必要な場合はその金額を書き込みます。

● お棺用布団一式とは故人さまを棺桶に納める際に棺桶に敷く布団です。ほとんど棺桶と.セットになっているかと思いますが、別途必要な場合は書き込みます。

● 納棺料は故人さまを棺桶に納める際の料金です。これも別途必要な場合には書き込んで下さい。

● 次の二つの欄、線香・蝋燭と焼香セットは枕飾りとセットの場合も多いです。別の場合で必要なら金額を書き込んで下さい。

● その次、二つの欄の本骨・胴骨は収骨する際にここにお骨を入れていきます。一般的に小さくて咽仏などを納める方を本骨箱、大きくて沢山のお骨を納める方を胴骨箱と呼びます。二種類ありますが、必ずしも両方必要という訳ではなく、例えば一方をお寺の本山へ、もう一方をお墓へ納める場合には必要となります。

 このあたりは各家庭のそれぞれだと思いますので、家族や親戚、葬儀社と相談して下さい。これもプランに含まれる場合、本骨のみふくまれる場合など、さまざまですので、別途必要になる場合は書き込みましょう。

● 自宅飾りは収骨後、自宅でお骨を祭る際に使われます。が、枕かざりと同一の事も多いので葬儀社で確認しましょう。

● 湯灌(ゆかん)とは簡単に言うと湯舟で故人さまを洗い清め、化粧を施し、身なりを整えるサービスで病院でのアルコール清拭とは異なり、お葬儀の一つの儀式となっています。

 いろいろな形もあり、化粧と身支度だけ、という事も出来ます。こちらはプランに含まれる事は滅多にないと思います。金額もサービスに応じて5万円前後~10万円前後と単品で見ると高額で幅もありますので、ご希望の場合は葬儀社へ相談して下さい。

● 霊柩車は火葬場まで故人さまとお連れする車両です。プランに含まれる場合、含まれない場合、霊柩車ではなく飾り気のない寝台車が含まれる場合と、葬儀社によってさまざまですので、確認して下さい。

● お別れ用花束は最後にお棺の上にご遺族が捧げる花束です。これは葬儀社がサービスとして提供している場合が多いと思います。

● 最後に初七日手数料です。こちらも別途必要な場合には書き込んで下さい。

● *は予備として、他に別途費用のかかるものがあった場合や、特に希望して追加したものを書き込んで下さい。

● 最後に炉前での読経など宗教者を呼ばれる方はそのお礼の金額を記入して下さい。

 これで全ての項目が埋まりましたので、全部の金額を合計すれば家族葬の総額となります。

まとめ

 今回のまとめです。現在、様々な会社が色々な特徴を持ったプランを提案していますが、こうして総額を出して行く事でそのプランの特徴が見えてくると思います。その中からご自身の要望に合ったものを選択する事で無駄の無い、良いお葬儀ができると思います。

 例えば、自宅でのご安置を要望されている方に安置所の使用料がプランに含まれているものを選んでも無駄が出ます。セットプランという事で利用しないならその金額分を値きしてくれる事はありませんので。それならそのプランと同等の金額でもお花や豪華な棺が付いている方が支払うお金がいきてきます。ご自身、ご遺族の要望を考え、色々なプランを比較する事が、より良いお葬儀につながると思います。

 家族葬を選択するに当たり、注意するポイントとしては①祭壇②式場③参列者の数の三点となります。特に費用を抑える事を目的にするならば、祭壇の金額をしっかり確認し、式場使用料は施設の大きさを金額と共に確認しておきましょう。

 そして必要な所には連絡をとり、家族葬で執り行う為、弔問・会葬は辞退する旨、伝えておきましょう。そうでないと、家族葬の想定で小さな式場を借りたが、思いもよらず多くの方が来られて過剰からあふれる事になったり、急遽、返礼品を追加注文したりという事も考えられます。これらの選択によっては全く節約になっていないという事にもなり得ます。

 今回はここまでにしたいと思います。私の動画ではこれからもただ安ければいい、という事ではなく、無駄なお金を使わないという方向で解説して行こうと思います。

 事前相談などを行う際に、お葬儀に関する要望を持っている方が葬儀社としてもいろいろ提案しやすいという事もありますが、以前の動画でご紹介した事例のようにお葬儀の費用が一般的にはなかなか解りにくい事から、本来かけなくて良い費用がかかってしまう事もあり得ますので、そのあたりもご紹介してまいります。