今回は前回からの続きで、まずはお通夜の日からの流れを紹介していきます。その都度注意点も解説していきます。それと前回のご臨終から葬儀社との打ち合わせまででの補足ですが、打ち合わせ後、見積書を確認した際には葬儀代金の精算時期と方法も確認しておきましょう。お葬儀後、すぐに精算という事もあり得ますので、用意しておかないといけない事は確認しておきましょう。それでは、今回もよろしくお願い致します。
朝から式場移動まで
さて、通夜の日には訃報を聞いた方からの問い合わせに対応しつつ、自宅安置の場合は式場での宿泊準備をします。喪服や礼服の用意、寝間着や歯磨きなどの準備や,式場にお風呂やシャワーがあるならバスタオルなど、特に女性の方は式場にシャンプー、リンスが据え置いてある事もありますが、普段使っているものを持って行かれると良いと思います。
喪服と礼服についてですが、葬儀社で貸衣裳を借りる事もできます。着物はない場合は貸衣裳を利用すれば良いと思いますが、スーツやワンピースなど洋装なら借りるよりも購入した方が安くあがる場合もあります。と、いいますのも通夜・葬儀の後、四十九日(満中陰)法要を予定されている場合にはその際にも礼服が必要になり、貸衣裳を2回利用するなら購入した方が安い事もあるからです。最近では大型スーパーなどでもスーツが安く購入できる事もありますので、貸衣裳の金額や今後の予定などを考えて、上手く利用して下さい。お葬儀の費用は当初の予算よりも膨れがちなので、出来るだけ無駄な出費を抑えましょう。あと寝具についても葬儀社で貸布団を利用する事も出来ます。お通夜ですので、全員が一斉に就寝する事はないと思いますが、故人さまに付き添う方も順番で仮眠を取れるようにしておくと良いと思います。また、葬儀社によっては布団も持ち込みができる事もあるかも知れませんが、また翌日には片付けないといけませんので、車に人が乗れなくなったり大変な場合もあります。利便性を考えて貸布団を利用する事をお勧めします。
そして締め切り時間にはお通夜の食事「通夜ぶるまい」の確定数を葬儀社へ伝えます。訃報連絡をした方々や問い合わせを頂いた方の様子を見ながら、追加があれば追加し、この時間であれば、注文していた場合でも数を減らす事ができる事もあります。しかし、締め切り時間後に足りなくて慌てても対応不可であったり、配達時間が遅くなったりする事もありますので、よく考えて注文しましょう。
そして現金も用意しておく必要もあります。宗教者へのお礼はお通夜前の挨拶時に現金で渡す事が多いので、金額を確認しておきましょう。過去の動画でも解説しておりますが、菩提寺があれば直接、葬儀を依頼する時に宗教者に尋ねれば良いですし、宗教者が葬儀社の紹介であれば葬儀社が伝えてくれます。また、葬儀費用の精算が翌日の葬儀後すぐであれば、翌日の本葬の時間や金額によってこの時でないと準備できない事もありますので、しっかり確認しましょう。
予定の時間には葬儀社が故人さまを寝台車で迎えに来ます。この際に式場入りの準備の為、ご自宅やマンションならエレベーターの構造的に可能であれば故人さまをお棺へと納棺します。見積もりでお湯灌や化粧を依頼した場合には寝台車の前に湯灌業者がやって来て故人さまを納棺まで整えてくれます。湯灌・納棺の際には遺族も手を添えて行う儀式もありますので、希望する方は時間前に集まっておきましょう。そして納棺の際に故人さまに着せてあげたい衣類やお棺に一緒に入れてあげたい物があれば用意しておきましょう。副葬品については金属類が入れられなっかりする事もあります。基本的には燃えるものであれば問題ないですが、判断できない時には葬儀社へ尋ねると良いでしょう。準備が整えば故人さまを寝台車へ乗せて、式場へと向かいます。この際、付き添いの方が一緒に乗れる事もあります。他の方も自家用車などで式場へ向かいます。
忌中札についてですが、以前はよく自宅の玄関先に掲げたり、通夜・葬儀の時間を記した紙を地域の掲示板に貼りだしたりしましたが、近年、特に都市部では行われなくなりました。家族葬が増えた事の他、ご自宅で葬儀までする場合はともかく、葬儀式場を利用する事が多いので、札を貼りだすとその期間は家が留守であると公言しているのと同じであり、以前、葬儀時を狙った空き巣が多発した事がありました。そういった防犯上の理由により、掲げる事が少なくなりました。ですがお住いの地域によってはその忌中札を貼りだす慣習があるところもありますので、地域の葬儀社ならそういった地域性もよく解っているので、用意してくれると思います。気になる方は葬儀社へ尋ねてみましょう。
式場到着から通夜セレモニーまで
式場へ到着したら、お棺を祭壇前に安置し、葬儀社が線香・ろうそくなど、宗教用品を準備してくれます。そして式場や宿泊施設の案内をしてくれますので聞いておきましょう。その時に施設近くのコンビニなどの所在を聞いておく事もとっさの時に役立つと思います。この時に貸布団を利用する場合には依頼しておきましょう。
通夜のセレモニーの1時間前までくらいには服装を整えて、式場に集まっておきましょう。30分前までくらいには葬儀社から宗教者の到着が伝えられ、お礼の準備を促されます。担当者の案内で宗教者の控室へ向かい、挨拶し、お礼を手渡します。この時にお礼は封筒やコンビニでも売られているのし袋へ入れてから渡しますが、この封筒やお布施袋を葬儀社で用意してもらえる事もあります。こちらも誰が準備するのか、確認しておきましょう。喪主が用意する場合、奉書紙や白い封筒などで宗教者へのお礼の場合は水引はなくても構いません。コンビニでも売られているのし袋の場合はのしの色は銀色か黄白で結び切りのものを選びましょう。判らなければこちらも葬儀社へ尋ねると良いでしょう。
全ての準備が整ったら、式場で着席し、セレモニーを待ちます。弔問の方も集まってきたら、進行係から式辞の説明がある事もあります。セレモニー中の仏式での焼香や神式の玉串奉奠など、作法の説明がありますので、よく聞いておきましょう。
セレモニー中
時間になれば宗教者が入場し、セレモニーが始まります。焼香や玉串奉奠など、進行係からその都度案内があります。何をするにも喪主が一番初めとなりますので案内をよく聞いておきましょう。セレモニーレディがいる場合には誘導してくれますので、誘導に従って、故人さまへ心を込めて作法に臨みましょう。セレモニーも進み、宗教者が退場すれば、最後の締めとして喪主の挨拶があります。ご自身の言葉で故人さまへの想いや思い出を語るのが良いと思いますが、私のホームぺージには挨拶の例文を用意しております。参考にして頂けたら幸いです。コチラのリンクからダウンロードして頂けますのでご活用下さい。挨拶が終わればセレモニー終了となります。
セレモニー終了後
セレモニー終了後には、集まってくれた方々からの弔問を受ける事になります。弔問客が多ければ、なかなか大変ですが、感謝の気持ちを忘れずに対応しましょう。あまりに弔問客が多い場合には進行係の機転で、式場出口に喪主と遺族が立ち並び、弔問客と順番に挨拶を交わし、そのまま見送る事もあります。いずれにしても弔問客の中にこの後の通夜ぶるまいに招待したい方がいる場合には忘れずに招待しておきましょう。
通夜ぶるまい中は集まってくれた方々と故人さまを偲んで、話をきいたり、したりして過ごしますが、この時に本葬後の精進落とし料理の数を確認しておきましょう。料理の注文締め切りが明日でもいい事もありますが、このタイミングでないと確認できない方もいると思いますので、概ね正確な数を確認しておき、翌日には緊急分だけにしておく事をお勧めします。翌日、食事の数が決まらず、バタバタしている方もよく見受けられますのでしっかり確認して下さい。
通夜ぶるまいが終わり、宿泊する親族などの案内が終われば本日の予定は全て終了となります。通夜ですので故人さまの付き添いもあるでしょうが、明日の事もありますので、無理をせず、少しでも仮眠をとっておいて下さい。お疲れさまでございました。
今回のまとめ
今回のまとめとなります。まず、貸衣裳が必要な場合はあらかじめサイズを確認して注文しておきましょう。
準備しておく必要があるものとしては
● 式場へ移動する際に宿泊用品など
● 必要分の現金
● 故人さまへの副葬品
などとなります。
締め切り時間までに葬儀社へ依頼するものとしては
● 貸衣裳の注文
● 通夜の食事の注文
● 貸布団の注文
などがあります。
そしてお通夜の間に精進落とし料理の数を確認しておきましょう。
今回はここまでにしたいと思います。私の解説ではこれからもただ安ければいい、という事ではなく、無駄なお金を使わないという方向で解説して行こうと思います。この動画がより良いお葬儀の参考になれば幸いです。次回は通夜の日からの流れを解説して参ります。
それでは、ありがとうございました。